ハチミツは、国産に限らず海外産のものも多く見かけますが、それぞれどのような違いがあるのかご存じでしょうか?
国産はちみつと海外産ハチミツの違いをはじめ、それぞれの安全性について詳しく解説します。
国産はちみつのおすすめの選び方についても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
「国産はちみつ」とは?
「はちみつ類の表示に関する公正競争規約」では、国産はちみつについて以下のように定義されています。
『「国産」という文言を表示する場合 には、前条第1項の規定により同項第 3号に掲げる原料原産地名として他の 採蜜国と併せて表示する場合を除き、 その原料蜜の全てが国内で採蜜された ものでなければならない。 』
(出典:はちみつ類の表示に関する公正競争規約及び施行規則 第4条(3)|一般社団法人 全国公正取引協議会連合会)
ハチミツを「国産」と表示する場合は、その原料の全てが国内で採蜜されたものである必要があります。
つまり、海外産のハチミツがブレンドされているようなものは、そのほとんどが国産のハチミツであった場合でも「国産」とは表示できないのです。
国産はちみつは外国産ハチミツに比べて水分量が多く、なめらかでさっぱりとした甘さが特徴。
そのため、日本人の味覚によく合うと言われています。
国産の純粋はちみつの定義
国産の「純粋はちみつ」の定義は、その名の通り「天然成分100%のはちみつ」とされており、水あめや甘味料などの混ぜものが一切入っていないものを指します。
純粋はちみつは天然成分100%であるため、ハチミツ本来の香りや味わいが楽しめます。
参考:国産はちみつ市場規模
現在はちみつの国内流通量は約49.8千トンで、そのうち国産のハチミツは約2.7千トンとなっています。
つまり、国内で流通している国産はちみつはたったの約4%で、残りの約96%は外国産の輸入ハチミツなのです。
国産はちみつはそもそもの収穫量が少ないということもありますが、国内の生産者が減っていることもあり、ハチミツの国内生産割合は長年低い状態が続いています。
海外と日本のはちみつの違い
前章では国産ハチミツの定義について解説しましたが、外国産ハチミツと国産はちみつではどのような違いがあるのでしょうか。
ここではそれぞれの違いについて、項目別に2つ解説していきます。
水分量の違い
外国産と国産のハチミツの最も大きな違いは、その水分量です。
外国産のハチミツは水分含有量が20%以下と定められているのに対して、国産はちみつの水分含有量は22%以下。
この違いははちみつの採蜜方法の違いによるところが大きく、国産はちみつは水分量が多く糖度が低いため、なめらかでさらっとした口当たりとさっぱりとした甘さが魅力のひとつ。
定置養蜂とは
ミツバチの巣箱を動かさずに採蜜する方法。
定置なので、蜜源がその地区に限られるので、多くの蜂蜜を採るのには不向き。
転地養蜂とは
花の開花に合わせて巣箱を移動させながら採蜜する方法。
大規模養蜂はこの養蜂方式
花や木々の種類の違い
ハチミツは、採蜜される花や木々の種類によっても味わいが大きく変わります。
国産・外国産に関わらずハチミツの花や木々の種類はさまざまですが、日本人にはさっぱりとした淡泊な味が好まれる
傾向にあります。
一方海外の方はやや癖のあるものが多く、種類によって好みが分かれやすい傾向があると言えるでしょう。
近年話題の「マヌカハニー」はニュージーランドにしか自生していないマヌカから採れるハチミツで、高い抗菌作用が期待できると人気ですが、ハチミツのなかではかなり癖が強い種類となっています。
海外のハチミツの安全性は?
ここまで国産はちみつと外国産ハチミツの違いについて解説しましたが、外国産ハチミツの安全性はどのようになっているのでしょうか。
ここでは、外国産ハチミツを選ぶ際に確認したいポイントについて解説するので、参考にしてください。
はちみつ品質規格
ハチミツは各国それぞれで品質規格が定められているため、外国産ハチミツの安全性をチェックする際は、その国の品質規格がどのようになっているかを確認してみてください。
基本的にEU圏内ではハチミツの品質規格が厳しく設定されているため、EU圏内のハチミツであれば安全性に問題なく安心して食べられると考えられます。しかしながら、絶対安全という状況には至っていません。
中国産のハチミツも、中国国内の一定の基準に沿って生産されているものがほとんどです。
しかし、中国産のなかでも特に安価な商品は安全性が低い可能性もあることに留意しておきましょう。
残留農薬・抗生物質など
ハチミツの安全性に関して過去に話題になったものとしては、残留農薬と抗生物質の検出があります。
2021年に日本で販売されていたアルゼンチン産とカナダ産のハチミツから残留農薬が検出されたことは、記憶にも新しいかもしれません。
(出典:はちみつ(アルゼンチン、カナダ産)から基準値を超える農薬の残留報道の件|東都生活協同組合)
また「中国産ハチミツに抗生物質が入っていた」というニュースは過去に複数回報じられていることから、中国産ハチミツは危険というイメージを持っている人も多いでしょう。
(出典:中国産ハチミツに対する輸入検査の強化について|厚生労働省ホームページ)
中国産やインド産のハチミツがすべて危険というわけではありませんが、外国産ハチミツを購入する際は、こうした点も考慮したうえで選択するのが望ましいでしょう。
製造時の衛生管理
外国産ハチミツは、海外で容器詰めして輸入されるものと、日本で容器詰めするものの2パターンがあります。
先進国で容器詰めされている商品であれば、基本的に衛生面には問題ないものと考えられますが、それ以外の国では、どのような衛生管理状態でハチミツが製品化されているのか不透明な部分も多いです。
その点、日本では食品衛生の基準がしっかりと定められているため、中国産やインド産などのハチミツを購入する際は、日本で容器詰め(充填)されているもののほうが、製造時の衛生管理の面では安心できると言えるでしょう。
国産はちみつの選び方
では、国産ハチミツを選ぶ際は、どのような点を確認したらよいのでしょうか。
ここでは国産はちみつの選び方のポイントについて紹介するので、はちみつ選びの参考にしてみてくださいね。
純粋はちみつを選ぶ
まず、本物のハチミツを選びたいのであれば裏面表示に「はちみつ(国産)」と記載があるものを選択しましょう。
原材料表示に水あめや甘味料など「はちみつ」以外の記載があるものは、純粋ハチミツではありません。
また、日本ではハチミツの原材料表示に原産国を記載するよう定められているため、国産ハチミツには「はちみつ(国産)」という表示がされています。
生産者や養蜂場の記載があるハチミツを選ぶ
国産ハチミツでは、生産者の名前や養蜂場の記載があるかどうかも確認してみましょう。
生産者や養蜂場の名前が書いてある製品は、それほど品質にこだわっている証拠。
採蜜から製品化までしっかりとした品質管理で製造されているため、国産はちみつのなかでもより一層安心して食べられると言えるでしょう。
国産はちみつのことなら松治郎の舗(みせ)
創業大正元年のはちみつ専門店
はちみつ安全な国よくある質問
Q:はちみつはどの国のものがいいのでしょうか?
A:国で選ぶのは一概にいいとは言えません。あくまでも養蜂場(養蜂家)から判断するのがいいでしょう。
Q:中国産はちみつが不安です?
A:一概に中国だから不安というのは適切ではありません。基本的に日本に輸入されている中国はちみつは、かなりの頻度で検査をされています。異常に安いものは避けるようにして、それ以外ですと安全かと思います。