はちみつを使おうと取り出したら、表面のほうは問題なさそうだけど、底に白いカビのような沈殿物が・・・!というご経験があるのではないでしょうか?
はちみつはカビが生えない。と聞いたことがあったのですが、ホントにカビは生えないのでしょうか?カビではなかったらこの白い沈殿物の正体は何なんでしょうか?
結論から【はちみつはカビが生えることはありません。】ではこの白い物体の正体は何なのか?それでもカビが生えたとしたら原因は何なのか?をご説明していきます。
はちみつの白い斑点(はんてん)の正体
実物を見たことがない方に参考までに以下の写真をご覧ください。この白い斑点です。この白い斑点がビンの底にあったり、ビンの横面にあったり、またまた半分以上白くなっていたりとほんとに様々です。
正体はブドウ糖の結晶化
はちみつの主成分である単糖類のブドウ糖と果糖からはちみつは出来上がっています。
この単糖類のブドウ糖が液状から変化して、白い斑点状の結晶化になるのです。
ブドウ糖の結晶化が始まる温度
はちみつ中のブドウ糖が白く固まる温度の目安として、外気温を15℃を切り始めたころと覚えてください。正確にははちみつ中のブドウ糖の結晶化は、温度変化(日中暖かくて15℃を超えるけれど、夜間になると10℃を切るなど)により結晶が発生します。逆に外気温が常に一定の15℃だったとしたら結晶化はそれほどすすみません。
糖分はカビ菌が必要とする水分を奪う
はちみつの糖度は約80%近いので、吸湿性(水分を吸収する性質)が高いのでカビ菌が活動する環境がありません。よってカビ菌が存在してもその菌が活動できないのです。
サラサラなハチミツは結晶化しにくい?
いろんない方からさらさらのはちみつは結晶しにくいですよね?と言われるのですが、そのようなことはありません。多分ですが比較的にアカシアはちみつはサラサラしているので、そういう方がおられるのかもしれませんが、アカシアはちみつは果糖の含有量がおおく、ブドウ糖の含有量が少ないはちみつのため結晶しにくいのだと思います。
はちみつが結晶する原因は?
はちみつによく見られる白い斑点の正体は、はちみつの中に含まれるブドウ糖が結晶化したものです。はちみつに結晶が起こりやすくなる条件は下記の通りです。
・気温の変化(気温が一定ならさほど問題ない)
・はちみつの中のブドウ糖が果糖よりも多い
・振動
はちみつは寒い時期になるとはちみつに含まれるブドウ糖が結晶化し、気温が15度以下になるとブドウ糖は結晶化しやすく、特に13度以下になると、ほとんどのブドウ糖は結晶化すると言われています。よって、はちみつは冷蔵庫に入れると結晶化してしまうため、常温での保管がおすすめです。
また、はちみつには結晶化しやすいものとしにくいものがあって、はちみつの成分はブドウ糖と果糖ですが、レンゲはちみつやナタネはちみつなど、ブドウ糖の成分が多いため結晶化しやすいです。
カビないはずのはちみつにカビが発生する原因とは
とは言え、はちみつ中に絶対カビが発生しないか?というと例外がありますのでご紹介します。特に黒カビがはちみつ中にあればカビの発生の疑いがあります。
はちみつに原因のある場合
はちみつは、世界的にも「はちみつ規格」というものが存在します。Codex Alimentarius Commission(CAC)と言われるもので、この中にはちみつの組成基準が定めれ、水分は国際規格では20%以下(ただし、第4条第1項第2号に規定する国産はちみつにあっては22%以下)と定めてあります。
つまりこの基準ならカビが繁殖することはありません。よって通常ならはちみつを瓶に詰める業者はこの検査を実施してはちみつを瓶詰めしているはずです。
たまたま趣味で自分で採蜜した方からもらったり、この検査を実施していないはちみつがあった場合はカビが発生することがあります。信頼できるはちみつ屋さんからご購入下さい。
購入後に原因がある場合
過去にあった購入後の原因をご紹介します。はちみつは基本的にカビることはありませんが、条件によってはカビが生えることがあります。以下のような条件ではカビが生えることがあるので注意しましょう。
・はちみつの中に入れたスプーンが汚れていた
・はちみつの中に水やジュースなどが入って水分が増えた
・長い間蓋が開いていた
・蓋がしっかり閉まっていなかった
・保存した環境が悪かった
はちみつの中にスプーンなどを通してパンやバターなどが入ってしまった場合、それにカビが生えることがあります。そのため、はちみつの中に入れるスプーンは常に清潔なものを使うようにしましょう。また水分が混入すると、はちみつの水分量が増えることで、カビが生えやすい環境になってしまいます。
ほかにも、長い間蓋を開けっ放しにしたり蓋がしっかり閉まっていなかったりすると、外から塵や埃・湿気が入り込んでカビの原因になることもあるので注意が必要です。なお、湿気の高い場所はカビが生えやすく、直射日光ははちみつを変質させる条件になるので特に開封後のはちみつは冷暗所で保管するようにしましょう。
カビをはやさないはちみつ漬けの作り方
青梅やレモンや生姜などではちみつ漬けを作っている方も、カビないように正しく保存する方法を覚えておくと最後まで無駄なく食べきれますよね!自家製の梅干しや梅シロップ、かりんなどを使ってはちみつ漬けを作ったら、カビが発生してしまった・・・という失敗例も多いです。カビを防ぐためには以下のポイントを押さえておきましょう!
- 容器やトングなどを煮沸消毒(徹底的に除菌しておく)
- 材料の水分をしっかりきる(水分が菌の繁殖につながる)
- 風通しの良い冷暗所に高温多湿を避けて保管(温度・湿度管理を徹底する)
- 水分が出てきたら毎日かき混ぜる
これでもカビが発生した場合、一部なら取り除けば食べられるという意見もありますが、腹痛を起こすおそれがあるので十分注意しましょう。(自己責任でお願いします。)
カビが全体を覆っている場合は全体に浸食していると思われますので、残念ながら思い切って捨てたてください。
ただし、白い塊がカビのように見えてもはちみつの結晶や塩の結晶、梅干しの場合は産膜酵母の場合もあるのでよく確認してください。
レモン漬け
「材料」
・レモン:15個
・はちみつ:1.5㎏
・密閉できる瓶:1瓶
「作り方」
① レモンを5㎜~8㎜幅にスライスする。
② 瓶にレモンを入れ、はちみつを流し込む。
③ 2~3日涼しいところに保管したら完成!(さえばしなのでかき混ぜるのとを忘れずに!)
青梅漬け
まとめ
はちみつはカビが生えない。と聞いたことがあったのですが、ホントにカビは生えないのでしょうか?カビではなかったらこの白い沈殿物の正体は何なんでしょうか?結論から【はちみつはカビが生えることはありません。】ではこの白い物体の正体ははちみつ中の成分【ブドウ糖】が温度変化などにより、白く固まった。つまりはちみつが結晶化したということ。それでもカビが生えたとしたら原因は何なのか?はちみつが規格成分になっていないか?またまた、はちみつに何らかの後天的に別のものを加えてしましたか。
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